猫がかかりやすい病気
ここ数年、ペットブームもあり、色々な種類のペットが飼われていますね。やはり人気が高いのは、猫と犬でしょうか。
その存在に癒やされ、救われている方も多いはずです。
しかしその一方で、愛猫や愛犬をうまくケアできなかったり、病気やケガで亡くしてしまったりなど、ペットとの暮らしや健康に悩む方もおられます。
人間とは違いペットたちは、病気になっても言葉を発することができません。そのため、普段とは違うしぐさや表情に、飼い主が気づくことが大切です。
ペットを守るためにも、病気や早期発見のサインについて、知識を得ておきましょう。
今回は、「猫がかかりやすい病気」についてご紹介します。
気をつけたい3つの病気
ここでは、代表的な3つの病気について、ご紹介します。
① オシッコ(泌尿器系)の病気
猫はもともと砂漠地帯に住む動物でした。そのため、オシッコの量を少なくし、水分の損失をおさえられる生態になったといいます。
しかしその分、老廃物を濃縮して尿を出します。その結果、尿中には結石ができやすく、腎臓の機能障害も起きやすくなっています。
・下部尿路疾患(FLUTD)
膀胱に結石ができ、炎症や出血が起こります(膀胱炎)。さらに結石が尿道に移動して詰まると、尿道閉塞に。これら泌尿器で発症する病気を「下部尿路疾患(FLUTD)」と呼び、特に注意が必要とされています。
命の危険もあるため、異常を感じたら、すぐに病院へ連れていきましょう。
<病気のサイン>
・トイレ以外でオシッコをする…排尿のコントロールができない恐れ。
・オシッコがなかなか出ない…結石による尿道閉塞の可能性あり。
・オシッコに何か混じっている…キラキラした砂のようなものは、結石の可能性あり。
・慢性腎不全
腎機能が低下し、老廃物がオシッコで排出できなくなることで、さまざまな障害を引き起こします。
特に注意したいのが、尿毒素が体内にたまり不調を引き起こす、尿毒症です。加齢に伴うケースが多く、6歳以上の猫のほとんどに腎機能の低下がみられます。
一度こわれた腎機能は再生できません。おかしいと思ったら、すぐに獣医師へ相談しましょう。
<病気のサイン>
・体重が減った…食欲不振や脱水状態は、病気が進んでいる可能性あり。
・舌やまぶたの色が白い…赤血球などの数が減り、貧血状態になっている恐れあり。
・水を飲む量や回数が増える…オシッコを濃縮する機能が低下している恐れあり。
② 猫風邪
ウイルスなどによって感染する伝染病です。主に「猫ウイルス性鼻気管炎」、「猫カリシウイルス感染症」、「クラミジア感染症」をまとめた呼び名です。いつもより元気がなく、くしゃみや鼻水、せきなど、風邪のような症状が引き起こされます。
感染ルートとしては、すでに猫風邪に感染している猫との接触や、空気中に飛び散るウイルスによるものが考えられます。
<病気のサイン>
・くしゃみ…連続して激しいくしゃみをする。他の猫へうつる可能性もあるため、要注意。
・鼻詰まり…鼻で呼吸できずに、口で呼吸している。
・食欲がない…熱による食欲低下の恐れあり。
③ がん
体内にある細胞が、何らかの原因で傷つき、体の正常な機能を奪います。一般的に悪性腫瘍と呼ばれ、増殖すると他の臓器に転移する可能性もあります。
<病気のサイン>
・下痢や嘔吐が続く…胃や小腸、大腸など、消化器系のがんの可能性。
・苦しそうな呼吸、鼻血が出る…鼻腔や肺など、呼吸器系のがんの可能性。
・お腹にしこりがある…乳腺腫瘍(乳がん)の可能性。
・顔や首周りにできた、できものの治りが遅い…皮膚がんの可能性。
※病気のサインは代表例です。環境や年齢などによって、症状は異なる場合があります。
病気を予防しよう
色々な病気から愛猫を守るために、飼い主ができることは何か、気になりますよね。
ここでは、予防の基本となる病院でのケアについて、ご紹介します。
普段から健康に気をつけてあげることで、猫と一緒に、楽しく健やかな毎日を過ごしましょう。
ワクチン
伝染病を防ぐことができます。猫風邪と呼ばれる感染症にも対応しています。
それ以外にも、白血球が減ってしまう「猫汎白血球減少症」や、抵抗力がなくなる「猫白血病ウイルス感染症」の混合ワクチンが存在します。
また、単独で打つ「猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)」もあるため、確認してみましょう。
不妊手術
猫は年に数回、発情期を迎えますが、発情中にオス同士がケンカをしてケガをしたり、体力を消耗したりします。それが原因で、生殖器の病気や伝染病になる可能性もあります。
不妊手術を行うことで、病気のリスクを減らせ、また発情期の体の負担が減ることから、性格が穏やかになるともいわれています。
健康診断
猫の検査で基本となるのは、身体検査です。7歳未満の成猫は1年に1回、7歳以上の老猫は半年に1回を目安にしましょう。
普段から定期的に検査を受けることは、予防への第一歩です。猫の状態やご予算にあわせて、検討してみてください。
関連記事1:犬と猫の健康診断 ~元気で長生きするために~
関連記事2:元気なご長寿猫を目指そう。長生きのための環境づくりと健康管理
愛猫を守るために
大切な愛猫に長生きしてもらうためにも、毎日の暮らしは大切ですよね。
ストレスのない環境づくりや、病気のサインを見逃さないことは、飼い主にしかできません。
そのためにも、愛猫の普段のしぐさなどを見守ってあげ、予防につなげましょう。
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