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愛犬も危ない!?犬の歯周病を知って予防しよう

2025.01.17
愛犬も危ない!?犬の歯周病を知って予防しよう

犬の健康管理において、歯のケアはつい見落とされがちですが、実はとても重要です。犬の歯や口の中の健康状態は、単に「口臭が気になる」や「食べ物が食べにくそう」といった問題にとどまらず、全身の健康に深く関係しています。

 

特に歯周病は多くの犬が抱える見えない病気のひとつで、3歳以上の犬の約80%が歯周病またはその予備軍であると言われています。初期の段階では目立った症状が少ないため、気づかないことも多いですが、進行するにつれて痛みや感染症、さらには歯や口の中以外にも重大な健康問題を引き起こす可能性があります。

 

愛犬が元気に長生きするためには、飼い主が歯周病について正しい知識を持ち、予防を心がけることが大切です。
このコラムでは、犬の歯周病について、主な症状や全身の健康に与える影響、予防方法を紹介します。

犬の歯の基礎知識

犬の健康を守るうえで欠かせない歯のケアですが、犬の歯について詳しく知っている飼い主さんは意外と少ないかもしれません。
まずは犬の歯について知っておきましょう。

歯の本数と役割

歯の本数と役割

犬にも人と同様に、乳歯と永久歯が存在します。
子犬の乳歯は全部で28本、成犬の永久歯は全部で42本あり、人間よりも多くの歯を持っています。

 

これらの歯は、それぞれ異なる形状や役割を持っています。
・切歯
前歯にあたる切歯は、上下に6本ずつ、計12本並んでおり、小さくて平たい形をしています。
食べ物を細かく噛み切ったり、毛づくろいや小さなものをつかむ際に使われます。

 

・犬歯
切歯のすぐ横、上下左右に1本ずつ、計4本生えている鋭い歯が犬歯です。
「牙」と呼ばれるにふさわしく、食べ物をしっかりと捕らえたり、引き裂くのに適した形をしています。

 

・小臼歯
犬歯の後ろから奥へ向かって並ぶギザギザの歯が小臼歯です。成犬の場合は上8本・下8本で計16本あり、前方から後方に向かって少しずつ大きくなります。
ギザギザしているので、食べ物を嚙み砕くとき、特にドライフードや骨を噛み砕くときに役立ちます。

 

・大臼歯
大臼歯は小臼歯のさらに奥に位置しており、上下合わせて10本(上4本、下6本)生えています。小臼歯に比べて大きく平たい形です。
すり鉢状の咬面が特徴で、食べ物をすり潰すのに適しています。特に硬いものを噛み砕いたり、食べ物を細かくして飲み込みやすくする役割を果たします。

 

 

犬の先祖であるオオカミは狩りをして暮らしていたため、犬歯は肉や骨を引き裂くために発達し、奥歯は食べ物を噛み砕いたり、すり潰したりする役割を果たしていました。
この名残から、犬も奥歯が複雑な形状をしており、食べかすなどの汚れが溜まりやすい構造となっています。

生え変わり

生え変わり

犬種や成長のスピードによって異なりますが、一般的には生後2~3週頃から乳歯が生え始め、生後2か月ほどで28本すべての乳歯が生え揃います。その後、生後6~8か月頃までに乳歯が抜け、42本の永久歯に生え変わります。

 

この時期のケアが、その後の歯や口腔全体の健康に大きく影響するため、生え変わりが正常に進んでいるか、定期的に口の中をチェックしましょう。
乳歯が残っている、歯が重なって生えているなど、気になる点があれば、早めにかかりつけ医に相談してください。

 

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生え変わり時期は、歯や歯茎がムズムズしたり、違和感を感じたりするため、いろいろなものを噛みたがります。口の中の違和感を和らげるおもちゃを与えましょう。固すぎると歯を傷つける恐れがあるため、柔らかめの素材で安全なものを選んでください。

 

また生え変わり時期から歯磨きに慣れさせることが、その後のケアの成功につながります。
歯磨きトイ歯磨きガムを活用すると、愛犬の「噛みたい」という欲求を満たしつつ、歯のケアを楽しい習慣として始める良い機会にできます。

歯周病になりやすい

3歳以上の犬の約80%が歯周病、またはその予備軍であると言われるほどに、犬の歯周病リスクが高い原因には、犬の口腔環境生活習慣の変化が大きく関係しています。

 

まず犬の唾液はアルカリ性で、虫歯の原因菌が繁殖しやすい酸性に近い人の唾液とは異なり、歯周病の原因菌が繁殖しやすくなっています。そのため虫歯になることが稀である一方で、歯周病のリスクが非常に高いのです。

 

またかつてオオカミのように狩りをしていた頃は、肉や骨をかじる行動が自然と歯の清掃の役割を果たしていました。しかしペットとして暮らす犬は、柔らかく食べやすい食事を与えられることが多く、歯を磨くような行動が失われ、歯垢が溜まりやすくなっています。
さらに奥歯が複雑な形状で、食べかすなどの汚れが溜まりやすいという歯の構造上、歯垢が蓄積しやすい環境が整っているのです。
犬の歯垢はわずか2~3日で硬化して歯石になってしまうため(人は約25日)、歯垢から歯石への変化が非常に速いことも、犬が歯周病になりやすい原因のひとつです。

 

 

犬の歯周病

歯周病とは、口の中に残った食べかすが歯垢となり、それが硬化して歯石に変わることで、それらに含まれる細菌が歯茎や歯の周囲の組織に感染し、炎症を引き起こす病気です。
初期の段階で見られるのは歯肉炎で、歯茎が赤く腫れる出血するなどの炎症が起こります。進行すると歯周炎となり、歯茎だけでなく歯を支える組織(歯槽骨など)にまで炎症が広がります。最終的には歯がぐらつき抜けてしまうこともあります。

主な症状

主な症状

・口臭
歯周病の代表的なサインのひとつが口臭です。歯垢や歯石が溜まると、その中で細菌が繁殖し、生ゴミのような腐敗臭硫黄臭などの臭いが発生します。
これは多くの飼い主が最初に気付く兆候のひとつで、歯周病が進行するほど臭いは強くなります

 

・歯茎の炎症や出血
歯周病の初期段階は歯肉炎と呼ばれ、歯と歯茎の間の溝(歯周ポケット)に歯垢や歯石が溜まることで起こります。そこで増殖した細菌が歯茎に炎症を引き起こし、赤く腫れたり出血したり、痛みが出ることもあります。食事や歯磨きの際に出血が見られる場合は要注意です。
そのまま放置すると歯肉ポケットが深くなりさらに歯垢や歯石が溜まりやすくなるため、早めの対処が必要です。

 

・歯のぐらつき、喪失
歯肉炎が進行すると、炎症が歯周組織まで広がった状態の歯周炎となります。
歯を支える歯槽骨が溶け歯茎が痩せてくるため、歯がぐらつき始めます。さらに進行すると歯が抜けてしまうこともあります

口の中だけにとどまらない影響

歯周病は口の中だけにとどまらず、犬の全身の健康に影響を与えます。
重症化すると、歯を支えるあごの骨である歯槽骨が溶けて脆くなるため、わずかな衝撃でも下顎を骨折してしまうことがあります。また口腔と鼻腔を隔てる骨が溶けると、口腔と鼻腔が繋がり、鼻炎を発症してくしゃみや鼻水がひどくなることもあります。
さらに歯の根元に膿が溜まると、顔が腫れたり、目の下などの皮膚に穴が開いて膿が漏れ出すこともあります。

 

痛みや不快感が続くことで、食事そのものを嫌がるようになることもあります。そのため食事量が減って栄養不足に陥ることで免疫力が低下し、他の病気にかかりやすくなるリスクも高まります。
また歯周病の痛みや食べられないことによるストレスが、犬の精神状態を不安定にする場合もあります。

 

歯周病がさらに進行すると、細菌が血液に侵入して全身を巡るようになり、腎臓肝臓心臓といった臓器にも悪影響を及ぼす可能性があります。これを菌血症(きんけつしょう)と呼び、放置すれば命に関わる危険な状態になることもあるため、早期の予防とケアが重要です。

 

 

予防するために

予防するために

歯周病を予防するためには、日常的な歯磨きが最も効果的です。歯磨きで、歯の表面や歯茎の間にたまる歯垢を取り除き、細菌の繁殖を防ぐことができます。
歯垢が歯石に変わってしまうと、歯ブラシでは取り除くことができず、動物病院で全身麻酔下でのスケーリング(歯石の除去)が必要となってしまうため、日常的なケアが非常に重要なのです。

 

犬用の歯ブラシや歯磨きペーストを使って、できるだけ頻繁にケアを行いましょう。
多くの獣医師は、毎日歯磨きを行う事を推奨していますが、それが難しい場合は少なくとも2~3日に1回のケアを習慣にする事で、歯垢が歯石に変わるのを防ぐことができます。

 

また年に1回程度は、動物病院で歯の定期検診を受け、歯石が付着している場合はスケーリングを行ってもらいましょう。これにより歯周病の進行を防ぎ、愛犬の健康寿命を延ばすことが期待できます。

 

 

歯周病予防は飼い主のケアが鍵!

歯周病予防は飼い主のケアが鍵!

歯周病は、進行すると歯や歯茎だけでなく、全身の健康にも影響を及ぼす可能性がある恐ろしい病気です。予防するためには歯磨きが最も効果的ですが、犬は自分で歯を磨くことができません。
日々の歯磨きや定期的な動物病院でのチェックなど、飼い主がきちんとケアをして、愛犬の健康寿命を延ばしましょう。

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