【体験談】最後の「お別れの時間」ですべてを受け入れることができました
「ペットを見送って初めて、ペットを飼ったと言える」
愛犬が悪性リンパ腫と診断されたときに、信頼するドッグトレーナーさんが言っていたこの言葉が蘇ってきたというMさん。
約1年間に及ぶ闘病生活を、この言葉を胸に愛犬を支えてきた飼い主Mさんに、お話を伺いました。
病気のこと、看病のこと、終末期の様子、旅立ってからのお見送りや供養について、まだまだ辛いお気持ちを抑えて、いろいろ話してくださいました。
「(ご自身が思っていたより長く)葬儀会場でしっかりと“お別れの時間”を過ごせたことが、つらい別れを受け入れる助けになったと思う」
愛する家族を見送るリアルな体験は、きっとすべての飼い主さんにとって参考になると思います。
衝撃的な余命宣告
10歳を越えた秋、愛犬の体調に明らかな変化がありました。
朝の散歩に行きたがらなくなって隠れたり、ご飯を食べる量が次第に減って、だるそうに寝ている時間が長くなったのです。
季節の変わり目だから不調なのかな?と思い様子をみていると、首にぼこぼこと何かができてきました。これはおかしい、と急ぎかかりつけの獣医さんに看ていただいたところ、悪性リンパ腫との診断。なにもしなければ、長くて2ヶ月と余命宣告されました。
動物腫瘍専門の獣医さんとの出会い
幸いなことに、腫瘍専門でガン治療の経験値が高い獣医さんを紹介してもらい、診ていただくことになりました。
病気についての説明、症状、治療方法、余命、犬のQOL、さまざまな事柄を丁寧にわかりやすく説明してもらい、私たちは愛犬に抗がん剤治療を受けさせることを決断しました。
死生観は人によって異なりますし、犬が自身の死をどう感じているのかは推測するしかありませんでしたが、飼い主として愛犬の余命と向き合う段階で、獣医さんとの信頼関係はとても重要でした。そして実際、悔いのない治療期間でした。
抗がん剤が効いて、いったんは寛解(かんかい)した愛犬でしたが、わずか2ヶ月でリンパ腫が再発。
それ以降は抗がん剤の効果が見られなくなり、否が応でも「その時」のことを考えざるを得ない状況になってきました。
その頃から、少しずつ葬儀や供養のことを家族で話し合うようになりました。
犬が死んだら何をしたらいいの?
「その時」がきたら何をしてあげたらいいのか、その立場に近づくと、実はあまりわかっていないことに気づきました。
庭に埋めたらいいのか火葬した方がいいのか、火葬したらお骨はどうすればいいのか、などなど、精神的にはつらいけれど、考えはじめました。私たちの中に「最期まで、できることはすべてしてあげたい」という気持ちがあったからです。
インターネットで検索してみると、最近はペットも人と同じように個別火葬して埋葬してあげることができると知り、そんな中で見つけたのがヤシロペットセレモニーでした。
専用セレモニーホールがあり、人と同じようにこの子だけで火葬してくれて、お骨拾いも自分たちでできると知り、正直、すこし驚きもありました。
百聞は一見に如かず、どんなところなのか、連絡してペット霊園と葬儀会館を見学をさせてもらいました。明るくきれいで、ここならこの子も淋しがらずに逝けるかな?と感じたのを覚えています。
その時が、おとずれた。
食べなくなり、足元がふらつきはじめ、お水も飲まなくなってからは、ほぼ1日くらいでした。ついに、家族が見守る中、愛犬は旅立ちました。
有名な「犬の十戒」というポエムに「最期のお別れのその時まで一緒にそばにいてください。あなたがそばにいてくれるなら、私は安らかに逝けるのですから。」というものがあります。 その時を迎えて、本当にそうであってほしい・・・と心から願いました。
「よくがんばったね」と声をかけ、何度も何度も全身を撫でました。
個別火葬を予約
事前に、見学していたので、迷うことなくネットでヤシロペットセレモニーを検索して、インターネットで火葬予約をしました。
ヤシロペットセレモニーの最終的な決め手になったのは、「専用セレモニーホールを使用し、ご家族だけでお別れの時間をお取りいただけます。」という点でした。
火葬する最後の瞬間まで一緒にいてあげられる、と思ったからです。
覚悟していたとはいえ涙が止まらず顔がぐちゃぐちゃだったので、インターネットで火葬予約ができたのは、助かりました(笑)
お別れの時間があって心が救われた
翌日、家から車で葬儀場へ向かいました。 1年間一緒に治療に向き合ってきたからか、私たちの心は落ち着いていました。自然と「もうつらくないからね」と声をかけていました。
しかし、いざ火葬となると、これで本当にお別れなんだという感情に襲われ、また涙があふれてきて愛犬を抱きしめました。
「ありがとう」「我が家に来てくれてありがとう」言葉をかけながら 家族と思い出話をして、思い出を噛みしめました。おそらく20分くらいは家族だけのお別れの時間を過ごしたと思います。とても濃密な時間でした。
私は、人も犬も死ぬと魂が肉体から離れると思っていますが、今、目の前にある肉体を大切に最後まで尊厳を持って扱うことができて本当に良かったと感じています。 静かな個室でそれをさせてもらったことで、心を落ち着け、お別れを受け入れることができたと思います。
お骨と一緒に帰宅
火葬のあと、ヤシロさんでは体の形そのままにお骨を並べてくれて、自分たちで収骨させてくれます。
ゆっくりと丁寧に拾って骨壺に入れ、自宅へ持ち帰りました。それから3か月が経過しましたが、今はまだ自宅で供養しています。
今後の埋葬方法については、ペットの合祀墓に納骨するのか、私たちと一緒のお墓に入るのか、これからゆっくり考えていこうと思っています。
家族だけのお別れの時間が大切
悲しみの中で、慌てて火葬していたら後悔していたと思います。大切な家族との最期の別れの時間が大事だと痛感しました。
「ペットを見送って初めてペットを飼ったと言える」というドッグトレーナーさんの言葉の意味が、今回の経験を通してはっきりと理解できました。「ちゃんと見送ってあげることができただろうか」という自問に対して「できることはやってあげられたと思う」と言えることが、自分自身をも幸せにするために必要なことだと思います。 個室のあるセレモニーホールで葬儀ができて良かったと、振り返ってそう思います。
ペットの死は必ずおとずれます。 良い葬儀体験ができた者だから言えるのですが、事前に葬儀のことは考えておくべきと感じています。 最期まで一緒にいて、見送ってあげることで、永遠のお別れに際しても、心の納得が得られると思います。
インタビューを終えて
お話をうかがっている最中も、まだまだ涙があふれてきているご様子を見て、こちらまで感情が揺れるインタビューでした。
でも、さみしさはあっても、この別れを受け入れて新たな生活に進んでいらっしゃる様子は、亡くなったときにしっかりと十分にお別れをすることができたからなのだと、感じました。
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