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インコに多い病気を知ろう

2024.09.30
インコに多い病気を知ろう

インコには、病気で弱っていることを隠す習性があります。野生の環境では、弱っていると外敵に襲われたり、群れから外されたりすることがあるからです。
そのため飼い主が病気に気付いたときには、病気が進行してしまっていることも少なくありません。

 

インコに多い病気とその症状、そしてインコを病気から守るために飼い主ができることを知っておきましょう。

インコに多い病気の症状と予防

毛引き症(フェザーピッキング)、自咬症

毛引き症(フェザーピッキング)、自咬症

・毛引き症(フェザーピッキング)
インコは本来、羽をきれいに保つために毛づくろいを行います。しかし、何らかの原因でこれが過剰になり、自分の羽を引き抜いたり、噛んだりすることがあります。この状態を毛引き症(フェザーピッキング)と呼びます。

 

環境の変化や不適切な飼育環境、孤独感によるストレスなどの精神的な原因で毛引きを行うようになることがあります。またダニなどの寄生虫やアレルギーによって、皮膚にかゆみや痛みなどの炎症が起こり、それが原因となることもあります。
なお羽についた塗り薬やハンドクリーム、タバコや芳香剤の匂いや料理の煙を取り除くための毛引きや、抱卵時の毛引きは生理的な行動であり、心配する必要はありません。

 

<症状>
羽が不自然に折れたり、破れたり、部分的に抜けたりします。ひどい場合には、くちばしが届く範囲の羽をすべて引き抜いてしまうこともあります。羽が引き抜かれた部分の皮膚は炎症を起こし、赤くなったり、小さな傷やかさぶたができたりすることもあります。
ストレスや痛みが原因で、攻撃的な行動を取る場合もあります。
このような状態が続くと、羽だけでなく皮膚をつついたり、爪で引っかいたりして傷つける自咬症に発展する可能性もあります。

 

・自咬症
自咬症(じこうしょう)は、羽や毛だけでなく皮膚まで噛んでしまう症状です。毛引き症が進行して自咬症に至るケースが多いですが、突然自咬を始めることもあります。
毛引き症と同様に、ストレスや皮膚の不快感や炎症などが原因で引き起こされます。神経系や内臓疾患による痛みやかゆみ、脚の骨折や関節炎の痛みなど、他の疾患による症状を紛らわせるために咬んでいるケースもあるため、日常的にインコの様子を注意深く観察し、異常を早期に発見することが重要です。

 

★予防するために
なるべく静かで、風通しの良い場所にケージを設置しましょう。ダニやノミなどの寄生虫や、カビなどは皮膚の炎症を引き起こすため、ケージを清潔に保ちます。
ビタミン不足は皮膚や羽の健康に影響を与えるため、栄養バランスの整った食事を与えましょう。
また退屈や孤独感、運動不足がストレスの原因となります。放鳥して運動させたり、おもちゃで遊んだりしてコミュニケーションをとりましょう。

感染症ー風邪

インコもかぜをひくことがあります。
寒暖差に弱く、室内が乾燥しすぎると、鼻や喉が乾燥してかぜをひきやすくなります。冬場でも室内の温度を20度前後に保ち、寒暖差は5度前後に抑えると良いでしょう。
またほこりで咳がでやすくなるため、ケージだけでなくインコが生活している部屋もこまめに掃除や換気をしましょう。

 

人のかぜウイルスが鳥に感染することはありませんが、鳥インフルエンザウイルスがかぜのような症状を引き起こしたり、免疫力の低下による細菌感染、真菌(カビ)などが原因となったりします。アレルギーによって鼻炎のような症状が出ることもあります。

 

<症状>
人と同じように頻繁にくしゃみや咳をしたり、鼻水が出たり、鼻が詰まって呼吸が苦しくなるなどの呼吸器の症状が出ます。羽を膨らまして動かなくなったり、食欲が落ちて体重が減ったり、活動量が減って元気がなくなったりすることもあります。
目が赤くなる、涙が出るといった症状がある場合は、副鼻腔炎になっている可能性もあります。

   ーメガバクテリア症(マクロラブダス症)

   ーメガバクテリア症(マクロラブダス症)

この病気はマクロラブダスという真菌(カビ)が胃や腸の粘膜に感染し、嘔吐や下痢などの胃炎症状を引き起こします。
セキセイインコに多い病気ですが、感染してもすべてのインコが発症するわけではありません。換羽期や飼育環境の変化などによるストレス、他の病気などで免疫力が落ちると発症しやすくなります。
保菌している親鳥がヒナににえさを与える際に感染するほか、同居する鳥が感染している場合は、便や吐物を介して感染することもあります。

 

<症状>
感染することによって胃腸の消化能力が低下するため、嘔吐や下痢のほか、元気がなくなる、えさを食べる量が減るといった症状がみられます。食べたものが消化されずにそのまま便として排泄されるため、体重が減少します。
羽の質が悪くなったり、胃や腸が膨らむことによる腹部の張りがみられたりすることもあります。
胃潰瘍や胃出血を起こしている場合は、貧血や血液の混じった黒い便が出るなどの症状が出て、出血が激しい場合は突然死を起こすこともあります。

 

初期の段階で発見して治療出来れば治る場合もありますが、進行すると完治が難しくなります。マクロラブダス菌は便に出てくることが多いので、定期的に糞便検査や体重測定などの健康診断を受けましょう。

   ー鳥クラミジア症 (オウム病)

オウム病という名前がついていますが、ほぼすべての鳥類で感染する病気です。オウム病クラミジア(クラミジア・シッタシ)という病原体への感染によって引き起こされます。
感染したインコの排泄物や分泌物、羽毛などに直接触れることによる接触感染や、呼吸器からの飛沫やほこりを介して、空気中に放出された細菌による空気感染のほか、親鳥からヒナにも感染します。
無症状で保菌している可能性があるため、ペットショップで検査済であっても定期的に検査をするとよいでしょう。

 

<症状>
くしゃみや咳を繰り返したり、鼻水や涙が出たり、息苦しそうで呼吸音が異常になったりといった症状が中心です。
その他にも羽を膨らませてよく眠る、食欲不振、体重の減少、下痢、活動量が減って元気がなくなるなど、様々な症状を引き起こします。
目や鼻が赤くなったり腫れたり、羽毛が乱れるケースもあります。

 

オウム病は人畜共通感染症なので、子どもや妊婦、病気や高齢で免疫が落ちている場合には、人にも感染することがあります。
便はこまめに処理するように心がけ、インコと触れ合った後も石鹸でしっかりと手を洗って消毒をするなど、衛生面での注意が必要です。

   ーPBFD(オウム類嘴羽毛病)

   ーPBFD(オウム類嘴羽毛病)

PBFDはサーコウイルスの感染によって引き起こされる、重篤で致命的な感染症です。
サーコウイルスは動物の体外でも長く生存できるため感染力が強く、感染したインコの排泄物や分泌物、羽毛などに直接接触することで感染します。空気中に漂うウイルスを吸い込むことによる空気感染や、汚染された水などから経口感染をおこすとも考えられています。
3歳頃までに罹患することが多い疾患です。

 

<症状>
羽毛障害脱羽くちばしの変形を引き起こし、末期には免疫不全を引き起こします。
具体的には羽の色あせや変色、羽が抜ける、羽の破損などの症状が見られます。羽の発育が遅れたり、新しく生えてくる羽が完全に発育せず変形したり、先端に白い斑点が現れるなど異常な形や状態になるケースもあります。
羽に関する症状以外にも、食欲の減少や体調不良により、体重が減少したり、活動量が減って元気がなくなったり、目が乾燥したり、異常な分泌物がみられることがあります。

   ー疥癬(カイセン)症

インコの皮膚に寄生するトリヒゼンダニというダニによって引き起こされる病気です。
セキセイインコによくみられ、感染しているインコと直接接触することで感染します。人や他の動物に感染することはありませんが、複数飼いの場合は注意が必要です。

 

<症状>
特徴的な症状として、くちばしやその周り、目の周りや脚など羽のない部分に、軽石に似た白いかさぶたのようなものがみられます。かゆみを伴っている場合は体を掻いたり、ケージや止まり木などに擦り付けたりします。
症状が進行すると、くちばしや爪などが異常に伸びたり変形したりして、最終的に脱落してしまうこともあります。
またかゆみや不快感から食欲が減少したり、活動量が減って元気がなくなったり、放置すると全身の皮膚感染による衰弱死につながる恐れもあります。

 

疥癬症は投薬治療で完治できます。インコの皮膚に違和感があれば、すぐにかかりつけ医に診てもらいましょう。
複数飼いの場合は感染が疑われるため、症状がなくても一緒に受診し、同時に治療してもらいましょう。

 

★感染症を予防するために
糞便や尿、吐物を適切に処理することはもちろん、ダニや菌、ウイルスの拡散を防ぐために、ケージや器具(エサ入れ、水入れ、おもちゃなど)の掃除や消毒は定期的に行いましょう。特に感染が疑われる場合は、徹底的な掃除が必要です。
インコを迎え入れる際は、信頼できるブリーダーやペットショップを選び、健康状態の確認を行いましょう。お迎えしたばかりのインコは、新しい環境に対する強いストレスから免疫力が下がっている状態にあります。免疫力の低下は感染症の発症につながるため、過剰に声をかけたり触ったりせず、まずは環境に慣れてもらいましょう。
複数のインコを飼っている場合に、もしなんらかの感染症が確認された場合は、他のインコと隔離して、感染拡大を防ぐ事が重要です。また新しくインコを迎えて複数飼いになる場合は、まず動物病院で感染がないか検査をしたり、一定期間隔離して感染の有無を確認してから接触させるようにすると安心です。

そのう炎

インコなどの鳥類は、食道と胃の間にある「そのう」と呼ばれる袋状の部位に食べたものを一時的に蓄えます。そこでえさを柔らかくして消化器官に送ったり、吐き戻した食べ物をヒナに与えたり、求愛相手に与えたりしています。

 

通常は健康な場合でもそのうの中には細菌がいますが、人の食べ物を食べて消化管の流れが悪くなったり、免疫力が落ちたりすることによる細菌の異常な増殖、真菌の発生や寄生虫感染などが原因で、炎症が起こっている状態をそのう炎といいます。
また異物の誤飲や固形物を飲み込み、ヒナの場合はさし餌時にえさの温度が高くてやけどをしたり、フィーディングチューブでそのうを傷つけてしまったりといったことも原因となります。

 

<症状>
特徴的な症状は、吐出や嘔吐です。オスのインコは求愛行動としてえさを吐き戻すことがありますが、そのう炎などの病気が原因で吐く場合は、頭を左右に振って吐物をまき散らします。頭部や顔の周囲が吐物によって汚れたり、ケージなどに吐物が付着しているときは、病気の可能性が高いでしょう。
頻繁にあくびをするようになったり、口臭が気になる場合もそのう炎が疑われます。そのう(首のあたり)が膨張して腫れることもあります。
他にも食事の量が減ったり食べなくなる、活動量が減って元気がなくなる、下痢、必要以上に水を飲むといった症状があります。

 

★予防するために
動物病院の中には、健康診断の項目のひとつとしてそのう液検査を行っている動物病院もあります。そのう炎予防のために、ストレスにならない範囲で定期的にそのう液検査を受けるとよいでしょう。
また異物の誤飲による傷や詰まりもそのう炎を引き起こす原因となるため、放鳥する時には食べ物(食べかす)や誤飲しそうなものを片付けるようにしましょう。

インコの健康を守るためにできること

インコの健康を守るためにできること

インコの健康を守るためには、日々の見守りと適切なケアが大切です。いつもと違う様子に気づいたら、早めにかかりつけ医に相談することで、大きな病気を未然に防ぐことができます。

 

インコとの生活をより幸せなものにするために、健康チェックや快適な飼育環境作りを心がけていきましょう。日頃から気を配ることで、インコが元気で過ごせるようサポートでき、長くその姿を見守ることができます。

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