小さな命の最期に寄り添うために、知っておきたいこと
家族の一員として過ごしてきたペットとも、いつかはお別れのときが訪れます。
そんなとき、ショックや悲しみで何をすればいいのか分からず、戸惑ってしまうこともあるでしょう。そのため、お別れのときの見送り方を事前に知っておくことは重要です。
埋葬や火葬などのお別れの儀式は、これまでの感謝を伝える最後の機会です。また飼い主の心の整理をする手助けになり、ペットロスを防ぐ方法の一つであるとも言われています。ペットとのお別れはとても辛いものですが、飼い主にできる最後のこととして、心を込めてお見送りしましょう。
このコラムでは、主にハムスターやインコとお別れする方法についてご紹介します。
ペットが動かなくなったときの対応
ペットが動かなくなってしまったら、意識を失っているだけなのか、本当に死んでしまっているのかを慎重に確認しましょう。特にハムスターは低温下で疑似冬眠という仮死状態に陥ることがあるので、注意が必要です。
ペットの状態確認
まずは呼びかけたり体を触ったりして、ペットの反応を確認しましょう。
・胸部に耳や手を当てて、脈拍や心音を確認
・呼吸の有無を確認
・体を軽く動かして、反応の有無を確認
・目を見て光への反応があるかなどを確認
上記のような点を、慎重に確認します。何らかの反応があれば、すぐにかかりつけ医の診察を受けましょう。
ハムスターは疑似冬眠に注意
ハムスターは気温が10度を下回ると、疑似冬眠といわれる仮死状態に陥ります。普通の冬眠は暖かくなると目を覚ましますが、疑似冬眠の場合は自然に目覚めることはなく、低体温症をおこしてそのまま命を落としてしまうことがあります。
・わずかに呼吸している
・体に弾力がある
・目や口が閉じている
などが、疑似冬眠のサインとなります。
疑似冬眠状態であるとわかったら、室温を上げてゆっくりとハムスターを温めてください。目を覚ましたら、ぬるま湯で溶いた砂糖水を飲ませて栄養補給をしましょう。
安置方法
ペットが亡くなってしまったとわかったら、きれいな姿で旅立てるように準備をすすめていきます。心の整理がつかない状態かもしれませんが、正しく安置をすることできれいな姿を維持しやすくなります。なるべく早く行いましょう。
姿勢を整える
まず最初に手足や羽を胸のほうにたたみ、自然に眠っているときのような姿勢にしてあげましょう。目が開いているときは、指先で撫でるようにしてそっと閉じてあげてください。無理に動かすと骨が折れる可能性があるので、注意が必要です。
死後約2時間ほどで硬直が始まるため、それまでに楽な姿勢にしてあげましょう。
体を清める
濡らしたタオルやガーゼでやさしく全身を拭き、汚れを落とします。そして、やさしくブラッシングしたり、毛並みを整えたりしてきれいな姿にしてあげましょう。仕上げに乾いたタオルで全身を拭き、水分を取り除きます。
そして遺体の体にあった大きさの箱に、ペットシーツや新聞紙を敷いてそっと安置します。遺体から体液や排泄物がでてくることがあるので、鼻や口、お尻にティッシュやコットンを詰めて、体が再度汚れないようにするとよいでしょう。
腐敗を防ぐために冷やす
動物も人と同じように、亡くなった直後から腐敗が始まります。温度が高いと腐敗が早く進むため、保冷剤やドライアイスを使用し、しっかりと冷やしてあげましょう。腐敗の進行を遅らせることによって、衛生的できれいな状態を保つことができます。
遺体を冷やすときは、保冷剤やドライアイスにタオルなどを巻き、体の下に置きます。さらに遺体の周りを保冷剤で囲むように配置します。腐敗は内臓から始まるので、お腹を中心に配置するとよいでしょう。
遺体が痛む原因になるため、保冷剤の結露などの水分が付かないように注意しましょう。
またドライアイスを使用する場合、気密性の高い箱は破裂するおそれがあります。蓋を少し開ける、小さな穴を開けておくなどの注意が必要です。
お別れの方法
埋葬や火葬は、最後にお別れを告げる大切な儀式です。自分たちに合ったお別れの方法を選ぶことで心の整理をして、ペットへの感謝の気持ちを表すことができるでしょう。
自宅の庭などに埋める(土葬)
自宅の庭などに埋葬する方法です。
大切なペットと共に過ごした自宅に埋葬し、いつでも身近に感じられることが何よりの魅力でしょう。費用がほとんどかからないことも特徴です。
しかし、土葬の際は気をつけなければいけないことがいくつかあります。
・必ず自己所有の私有地に埋葬する
(自己所有以外の土地にペットを埋葬することは、法律で禁止されています。川や公園などの公共の土地はもちろんのこと、アパートやマンションの庭も自己所有の土地ではないため、埋葬はできません。)
・動物による掘り返しが起きる可能性がある
(できる限り深く埋めなければ、野生の動物などに掘り返される可能性があります。)
・異臭や虫などで近隣トラブルが起きる可能性がある
・引っ越しの際に移動ができない
自宅の庭などに埋葬する場合は、これらも考慮するようにしましょう。
プランター葬
植木鉢やプランターに土を入れて、そこに埋葬する方法です。
プランター葬のメリットには、次のようなものがあります。
・庭の狭い家、アパートやマンションでも手軽に埋葬できる
・ペットを身近に感じることができ、いつでも手を合わせることができる
・引っ越しの際には一緒に移動できる
・埋葬したプランターに植物を植えて、ペットを想いながら楽しむことができる
(ただしプランターで植物を育てる場合は、根が深くまで伸びてペットの体を傷つける恐れのある多年草ではなく、一年草を植えるほうが良いでしょう。)
埋葬する自宅に庭がなくても、ペットを身近に感じながら自然に還すことができるプランター葬ですが、土葬と同様に野鳥などに掘り起こされる、異臭や虫などで近隣トラブルが起きる恐れがあるなどの懸念があります。
また大型インコのヨウムなど、体の大きなペットには向かない埋葬法でもあります。
掘り起こしや近隣トラブルが心配な場合は、火葬した遺骨を埋葬する方法もあります。
ヤシロペットセレモニーでは、ハムスターやインコなどの小動物の火葬にも対応しています。
関連記事:お骨は残せる? 小動物の火葬とご供養
自治体の焼却処分(火葬)
近年は動物専用の火葬施設を持つ自治体も増えてきました。お住まいの自治体が動物の火葬に対応しているかどうか、問い合わせてみましょう。
自治体での火葬は、費用が安価または無料であることがメリットです。しかし他のペットと一緒に火葬される合同火葬であることが多く、基本的に遺骨は返却されません。
またほとんどの場合、対応が平日の日中のみであること、火葬に立ち合えない自治体が多いことなどのデメリットがあります。
希望に沿ったお別れをしたい場合は、専門のペット葬儀会社に依頼するのもよいでしょう。
ペット葬
専門のペット葬儀会社で火葬を行う方法もあります。他の方法よりも費用はかかりますが、飼い主の希望に合わせた個別対応が可能です。お別れのセレモニーを行うこともできるので、ペットとの最後の時間を大切に過ごせます。
火葬の種類には、次のようなものがあります。
・個別火葬
ペットを個別に火葬する方法です。飼い主が火葬に立ち会える場合も多く、返骨も可能です。
・合同火葬
他のペットと一緒に火葬する方法です。費用は比較的安価ですが、ほとんどの場合、遺骨は返却されません。
・訪問火葬
自宅や指定の場所まで火葬車に来てもらい、ペットの火葬を行うサービスです。ペットと長い時間を過ごした自宅や、思い出の場所での見送りが可能です。飼い主がペットを運ぶことができない場合にも適しています。
ペット葬は、ペットとのお別れを大切にしたい飼い主の希望を叶えることができる選択肢と言えるでしょう。
<ペット葬 関連記事>
・みんなしてるの? ペット葬儀って、どんなもの?
・ペットのご葬儀の流れ
・小さなペットの供養とは。供養方法と心のケア
ペットとの思い出を大切に
ペットとのお別れの儀式は、心の整理をするために必要なステップであり、ペットロスを防ぐことにもつながります。
自宅の庭での土葬、プランター葬、自治体の火葬、ペット葬などの選択肢がある中で、自分たちに合った方法を選び、悔いのないお別れができるようにしたいですね。
ヤシロには北摂池田と大阪生駒に、ハムスターやインコなどの小動物の火葬にも対応可能なペット霊園がございます。ペット専用炉での個別火葬を行っており、お迎え個別火葬のプランもございます。新しくてきれいな貸切のペットセレモニーホールでは、心ゆくまでお別れの時間を過ごしていただくことができます。
小動物の火葬では、熟練したスタッフがお骨をできる限り残すために最大限の工夫をし、丁寧で誠実な対応をさせていただきます。飼い主様の立ち会い、ご収骨も可能です。
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