ペットとの終活を考えよう
「もしも自分に何かあったら、ペットはどうなるのだろう?」と、考えたことはありますか?
もちろん、大切なペットとのお別れなど、考えたくないのは当然です。しかし、自分が亡き後の、ペットの行く末を心配する方が多いのも、事実です。
現代では核家族化が進み、一人暮らしやシニア夫婦だけで暮らしている方も、少なくありません。そのため、飼い主であるご自分たちの最期に備えるだけではなく、ペットのことも考えた上で、終活をされる方が増えています。どちらか一方の終活だけをするのではなく、ご自分とペット、両方のための終活が必要といえます。
今回は、ペットがいる方の終活について、メリットや具体的に確認したいことなどを、ご紹介します。
ペットとの終活を始めるメリット
人間の終活には、後悔を少なくし、前向きな生活をするなど、さまざまなメリットがあります。ペットとの終活にも、同じ利点があるといえますが、それだけではありません。
ここでは、そのメリットについて、「ペットの死に備える」場合と、「ご自分の死後のペットのケア」にわけて、考えてみましょう。
ペットの死に備える
ご自分よりも先に、ペットが亡くなる場合です。
私たちは家族などを失った際に、深い悲しみや後悔に直面することがありますが、家族の一員であるペットに対しても、同じことが考えられます。
ペットとのお別れにあたって、何もできなかったという後悔が残ってしまうと、深い喪失感(ペットロス)におそわれるといわれています。深刻な場合は、不眠や食欲の低下、不安などにさいなまれることがあります。
ペットとの終活は、こうした悲しい気持ちをやわらげ、ペットロスの軽減につながるといわれています。
また、緊急な処置を要する場合でも、かかりつけ病院や健康状態などの基本情報や、終末医療の希望などをあらかじめ整理しておくことで、適切なケアや処置をスムーズにしてもらえることへもつながります。
気持ちの面でも、いざという時に、落ち着いて寄り添ってあげられるでしょう。
関連記事 1:ペットロスに向き合おう
2:ペットロスにならないために、事前にできる対策とは?
ご自分の死後のペットのケア
ペットよりも先に、飼い主が亡くなる場合です。
特に最近では、高齢化だけではなく、認知症や孤独死などのケースも、心配されています。
また災害や事故など、予期せぬ状況に置かれる場合もあるため、ペットが取り残されないように、引き取り先やお世話をしてくれる方を決めることが必要です。ご自分の死後を想定せずに、ペットが放置されたままの場合、最終的に、自治体などに処分される事態もありえます。
終活をすることで、そうしたケースを避けられ、残されたペットが安全な環境で最期を迎えられることに、つなげられるでしょう。
ご自分の気持ちに余裕があるときや、ご家族で話し合えるタイミングで、始めてみてはいかがでしょうか。
終活やノートで確認したいこと
一般的には、終活をするにあたって、エンディングノートを準備する方が多いでしょう。
ここでは、ペットと飼い主、両方の終活を踏まえて、確認しておいた方が良い内容について、ご紹介します。
・連絡先などの基本情報
ペットに万が一のことがあった場合に備えて、基本的な情報をまとめておきます。
すぐに治療が受けられるように、かかりつけ医や動物病院の連絡先を書いておきましょう。
また、ご自分がどのように世話をしているのか、お気に入りのフードやお散歩コースなど、日常的なケアの仕方なども、書いておくと親切です。
それ以外にも、介護や延命措置が必要になった場合はどうするのか、残されたご家族や専用の施設などを頼りにできるのかなど、調べて書いておくことも必要でしょう。
・ペット保険
最近は、ペットの長寿化も進んでいます。医療技術が高度になってきたためですが、その分、手術や長期入院の際の、医療費が高額となるケースもあります。そのため、いざという時に補償を受けられるように、ペット保険に加入するかどうか、考えておきましょう。
もうすでに加入している場合は、その保険内容が現在のペットの状態に見合ったものか、見なおすことも一つです。病気のリスクや補償内容、ペットの年齢制限なども含めて、確認しておきましょう。
・ペットのお墓
最近は、ペットも人間と同じように、お別れ後は、ご葬儀から納骨まで行うのが定着しています。ペット専用の霊園も増えていますが、なかには悪質な業者もいるため、注意が必要です。
あらかじめ、ご葬儀の有無やお墓はどうするのか、決めておくことをおすすめします。
もし突然のお別れになった場合、悲しみが深いと、すぐに判断できないこともあるでしょう。
ペットとの理想の最期について、ご予算やお墓参りをする際の環境なども含めて、気持ちを整理しておきましょう。
関連記事:変わるペットのお墓事情
・新しい飼い主について
ご自分が亡くなった後、誰がペットの世話をするのかは、とても大切なことです。
ご家族がそのまま面倒をみてくれる場合は安心ですが、そうでない場合は、新しい飼い主や保護してくれる施設などを、探しておかなければなりません。ペットにかかるお金を引き受けてくれる人や団体に渡して、世話をしてもらう民事信託や、遺言(負担付遺贈)などの方法もあります。
最後までペットが幸せに生活できるよう、ご自分にあった方法を選びましょう。
いずれも、ペットとの終活を考える上では、大切なことばかりです。ノートにこだわらない場合でも、後悔のないように、心づもりだけでもしておきましょう。
関連記事:ペットのエンディングノート
最後まで幸せなペットライフを
ペットの寿命は人間よりも短く、必ずお別れはやってくるものです。でもだからといってそれを恐れているだけでは、ペットとの豊かな暮らしは、遠のいてしまうかもしれません。
最後まで幸せなペットライフを過ごすためにも、ぜひペットとの終活を、始めてみませんか。
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