気をつけたいハムスターの病気とその症状
ハムスターの一生は短く、平均すると約2~3年といわれています。またハムスターはとてもデリケートなので、ストレスで体調を崩すことがあります。さらにケガや病気を隠す習性もあるため、飼い主としてハムスターの病気について知っておくことは、予防や健康管理に役立ちます。
気をつけたい病気やその症状について理解して、早期発見につなげましょう。
気をつけたい病気とその症状
ハムスターを飼う上で、気をつけたい病気とその原因や症状についてみてみましょう。
【目の病気】
・結膜炎
目やに、涙が出ます。また結膜が赤くなったり、まぶたが腫れたりします。
ゴミやほこりに反応して、かゆみを感じてかいてしまうことが原因です。ケージ内をこまめに掃除して、清潔な飼育環境を整えましょう。また毛づくろいをしているときに目の周囲を傷つけてしまい、炎症が起きることもあります。
なお目の病気で多い角膜炎も、ほぼ同じ症状をみせます。
・マイボーム腺腫
人の目の病気でいう、ものもらいです。
まぶたの内側にあるマイボーム腺(皮脂腺)に脂肪がつまることで、炎症を起こしたり、膿がたまったりします。まぶたが腫れて目やにが出る、まぶたのふちに白いできものができる、などの症状もあります。
体質が影響するといわれており、ジャンガリアンハムスターや太り気味のハムスターに多くみられます。肥満気味の場合は、低カロリーのフードに切り替えるなど工夫してみましょう。
【口の病気】
・不正咬合
ハムスターの前歯は一生伸び続けます。そのため歯がうまく削れないと前歯が長くなったり、左右の長さが違ってきたりします。
また伸びた歯で口の中を傷つけてしまい、食事ができなくなったり、口が閉まらずによだれや出血がみられたり、硬いフードを食べられなくなったりします。
金網状のケージをかじりすぎることが、大きな原因です。かじっているうちに歯が折れたり曲がったりして、不正咬合を起こすため、プラスチック製などのケージを検討してみてください。
また柔らかいフードばかり食べているせいで、歯が削れない場合もあるため、フードは硬いものも与えましょう。
・頬袋脱(ほおぶくろだつ)
ハムスターには、頬袋にフードや床材をため込んで、巣まで運ぶ習性があります。その頬袋が口の外へ飛び出している状態です。
ハムスターがそれを気にして、頬袋を引っ張ったり押し込んだりして、さらに傷つくこともあります。
頬袋内に食べ物がべったりとはりついて、出すことができなくなることが原因です。頬袋にくっつきやすいフードは、与えないでください。
またストレスでエサを何度も出し入れすることでも発症するため、ストレスのない飼育環境を整えましょう。
【皮膚の病気】
不衛生な飼育環境にあると、皮膚の病気にかかりやすくなります。
・アレルギー性皮膚炎
床材や巣箱の素材などに反応して、接触するお腹や胸の皮膚が赤くなります。毛が抜けたり、かゆみを感じて体をかいたりします。くしゃみや鼻水などの症状が出ることもあります。
また体質にあわないフードや、飼い主が吸うたばこの煙、香水などが原因となることもあります。
・感染性皮膚炎
細菌やカビによる皮膚炎です。脱毛や乾燥、かゆみやフケなどの症状がみられます。
不衛生な飼育環境や、ストレス、栄養バランスのとれていない食事などによって、免疫力が下がると発症しやすくなります。さらにケガをして傷があると、そこから細菌やカビに感染しやすくなります。特にカビが原因の場合は、梅雨などの時期に注意が必要です。
【低体温症(疑似冬眠)】
一般的に、気温が10℃以下になると体温調整がうまくできず、体が冷たくなり呼吸が少なくなっていくといわれています。5℃以下になると疑似冬眠に入り、危険な状態になります。体温が下がることで活動できなくなり、まるで死んでいるかのような状態になり、亡くなる危険性もあります。
冬はエアコンやヒーターを使い、ペット用の温湿度計で確認しながら、しっかりと保温しましょう。
またフードの量が少ないとカロリーが不足し、体温が維持できなくなるため、栄養のあるフードを十分に与えてください。
【子宮蓄膿症(しきゅうちくのうしょう)】
高齢になったメスに多く、ホルモンバランスの乱れや、子宮への細菌感染によって発症します。お尻から膿や血が出たり、お腹がふくれてきたりします。多飲多尿や食欲の低下も、症状の一つです。
高齢での繁殖も原因の一つと考えられているため、1歳を過ぎてからは控えましょう。
【風邪・肺炎】
ハムスターも人と同じように、季節の変わり目などに風邪を引きやすくなります。気温差に順応できないことや、細菌やウイルスからの感染が原因で、くしゃみや鼻水などの症状が出始め、悪化すると肺炎になる可能性があります。
肺炎になると、苦しそうな様子になったり、呼吸音に異常がみられたりします。呼吸困難に気づいたときには病気が進行している恐れがあるため、すぐにかかりつけ医に連れて行ってください。
★ヤシロのペット霊園近郊の動物病院★
・豊中市 モモ動物病院
【腫瘍(しゅよう)】
腫瘍には、がんと呼ばれる悪性のものがあります。
がんはシニア期に入ると発症しやすく、また、ほかの部位にがんを広げてしまう転移や再発も起きやすくなります。
全身のどこにでもできる可能性があるため、体の表面にできるがんは、体を触ったときに感じるシコリやこぶで気づくこともあります。人と同様に、食欲の低下や元気がなくなる症状がみられることもあります。
がんは老化や遺伝、ホルモンバランスの変化のほか、食事や環境などにも影響されると考えられています。
※腫瘍ができた場所によって、症状は異なります。
【骨折】
ハムスターは活動量が多いため、ケージの隙間に足をはさんでしまったり、回し車で遊んでいるときに落下したりして骨折することも少なくありません。他のハムスターとのケンカで、ケガをする場合もあります。
歩き方がいつもと違ったり、不自然な方向に曲がっていたりしたら、要注意です。特に、後ろ足の骨折が多くみられます。
☆ハムスターの病気で気をつけたいこと
人とハムスターの間でも、うつる病気があります。ハムスターを触る前後は、必ず手洗いをしましょう。もしお互いに病気になってしまった際は、必要以上に近づかず、衛生面に十分に配慮して過ごしてください。
そして、ケージ内の掃除をするときは手袋やマスクをして、掃除後は道具や手はきれいに洗いましょう。そのままにしていると、ウイルスや雑菌が他の場所について不衛生です。
ハムスターの健康を守ろう
ハムスターは体が小さいため、病気や怪我の治療も難しくなることが多く、専門で診てくれる動物病院も限られています。万が一の時のために、かかりつけ医を見つけておくと安心です。
少しでも長く一緒にいるためにも、毎日の健康チェックを習慣化して、ハムスターの健康を守りましょう。
※ハムスターの年齢や個体差、持病の有無などによって、病気の症状は異なる場合があります
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