愛犬が長生きする秘訣は? フードの選び方や健康管理について
犬の生涯について
犬の寿命は人間よりも短いですが、獣医学の進歩や生活環境の向上により、ご長寿犬も増えています。まずは、犬の生涯について知っておきましょう。
犬の平均寿命
一般的に、犬の平均寿命は12~15年といわれています。
犬の大きさによっても異なり、小型犬は15歳前後、中型犬は14歳前後、大型犬は12歳前後とされています。大型犬の方が寿命が短いといわれていますが、これにはいろいろな理由が挙げられています。小型犬に比べて成長が早いため、老化も早いとする説もあります。
どのタイプの犬も、早くから健康管理に気をつけることで、長生きできる可能性は十分あります。そのためにも、飼い主は愛犬の特性はもちろん、その成長過程についても理解しておきましょう。
犬のライフステージ
犬のライフステージは、年齢により3段階にわけることができます。
犬種や体格にもよりますが、犬は1~2歳で成犬になります。シニア期の始まりは7歳前後とされているため、成犬でいられる時期は限られています。
【誕生~2歳:子犬期】
一般的に、子犬期と呼ばれ、心と身体を育てる大切な時期です。
そのなかでも生後3週~12週前後までは社会化期といわれ、さまざまな物を見せて、外の世界に適応していく時期です。この頃に、犬の性格の基礎がつくられるともいわれています。
また、生後6か月~12カ月頃までに性成熟も迎えます。
【1~7歳:成犬期】
成犬期と呼ばれ、気力・体力が充実している時期です。
子犬期に比べると体も成長しているため、成犬用フードに切り替えることが必要です。肥満を避けるためにも、適切な食事と適度な運動、遊びなどで健康を維持してください。
また、基本的なしつけは理解している時期ですが、飼い主との信頼関係や健康のために、社会化やトレーニングを続ける方も多いでしょう。
【7歳~:シニア期】
シニア期と呼ばれ、老化が始まる時期です。
若い頃に比べて体力が落ちてきたり、白髪が出てきたりと、その行動や見た目などにも変化が現れます。外見だけではなく、身体のなかの衰えも始まるため、定期的に健康診断を受けるようにしましょう。
病気になると介護が必要なケースもあるため、かかりつけ医と相談した上で、ケアを進めてください。
犬の寿命やライフステージについて知ることで、その時期に必要なお世話を心がけることができます。日頃から愛犬の状態を観察し、病気や老化のサインを見逃さないようにしましょう。
関連記事1:犬の寿命を知ろう
長生きのための健康管理とは
健康的な生活を続けるためには、何を工夫すればよいのでしょうか?
主なポイントをご紹介します。
・愛犬にあわせた食事
市販のドッグフードには総合栄養食や療法食、おかずやおやつとして与えるものなど、たくさんの種類があります。
基本的に、毎日の食事として与えるフードには、必要な栄養素が全て含まれている総合栄養食を選びましょう。
そして、それぞれのライフステージで食べる量や必要な栄養が異なるため、犬の年齢や犬種、体質にあわせたフードを選ぶことが大切です。
【子犬期】
この時期は、犬の骨格や体の組織が発達するため、高い栄養価が必要です。
生後30日頃までは、母乳がメインとなります。それを過ぎたら離乳期用のフードや、少量で高カロリーを摂取できる子犬用のフードを、やわらかくして与えます。
また偏食を防止するためにも、少しずついろいろな食材を与えて、味を覚えさせていきましょう。
食事の回数は、生後6カ月までは1日に3~4回が目安で、その後は1日2回に減らしていきます。
【成犬期】
最も活発な時期ですが、一日に必要なエネルギーは成長期に比べると少なくなります。カロリーオーバーにならないよう、成犬用のフードに切り替えましょう。
総合栄養食の中にも、犬種や体質に対応したフードや、食物アレルギーなどに配慮した低アレルゲンのフードもあります。原料となる食材にもさまざまな種類があるため、愛犬に合うものを選びましょう。
食事の回数は、1日2回が適正とされています。
【シニア期】
老化が進む時期です。体や胃腸が弱くなり、吸収力が落ちるといわれています。
そのため、シニア犬には消化の良い低カロリーのフードを与えてください。
肥満を気にして食事の量を減らすケースがありますが、大切なのは食事の質といわれています。脂肪分の多いものを控え、不足しがちな栄養成分が入っている、シニアフードを意識してみましょう。
また、排便が難しいようなら、水分や食物繊維の豊富な食材をとるなど、工夫してみてください。
一度に食べられる量が減ってきたら、1回の量を減らして食事の回数を増やすなど、様子をみながら調整します。
年齢区分や成分表示、食事の量なども、商品のパッケージなどに記載されているため、きちんと確認するようにしてください。
また、おやつを与える場合は、それらのカロリーに合わせてドッグフードの量を調節します。
なかには手作りのフードを与える場合もありますが、犬が食べると体調を崩す恐れのある食材には、注意が必要です。
もし愛犬のニーズや適切な種類がわからない場合は、かかりつけ医に相談しましょう。
・運動と睡眠
毎日の運動は肥満の予防やストレス発散、血行の促進など、健康維持には欠かせません。そして質の高い睡眠は、疲労回復や免疫力の向上に効果的といわれています。
体力や筋力、必要な睡眠時間もそれぞれのライフステージで差があります。
犬の年齢に合わせた運動量と、睡眠時間の目安を知って、その子にあった体力づくりを進めましょう。
【子犬期】
運動時間:1日 2~3回 15分前後
睡眠時間:1日 約18~19時間
子犬の頃は1日のほとんどを寝て過ごすため、長時間の睡眠が必要です。
また、体が未発達なため、運動中は骨や関節を痛めないようにしてください。お散歩のときも、リードを強く引っ張ると関節を痛める恐れがあるため、気をつけてあげましょう。
【成犬期】
運動時間:1日 2回 30分~1時間
睡眠時間:1日 約12~14時間
成長して体力がついてくるため、一日30分以上の運動が理想です。
お散歩だけではなく、ドッグランで遊んだり、アジリティなどをさせても楽しめるでしょう。犬種によっても運動能力が異なるため、様子を見ながら適した運動をさせてください。
なお、体力がついてくる頃なので、短めの睡眠時間でも動けるようになってきます。
【シニア期】
運動時間:1日 1~2回 10~15分前後
睡眠時間:1日 約16~18時間
高齢になると、関節や筋肉が衰えてくるため、無理な運動は体への負担となります。疲れさせないように休みながら、健康維持のためにできる運動を心がけましょう。
体力も低下してくるため、睡眠時間も成犬の頃に比べると長くなります。
※犬種や個体差によって、目安は異なります。
・定期的な予防
狂犬病の予防注射はもちろんのこと、複数の病気を予防することができる混合ワクチンなどの予防接種も忘れてはいけません。
また、犬の健康診断(ペットドッグ)も広まっています。隠れている病気の早期発見・早期治療を目的に、主に身体検査や血液検査、尿検査などを中心に行います。
病気を発見したときには手遅れだったとならないためにも、最低でも、年に1回は健康診断を受けることをおすすめします。
なお、去勢・避妊の手術でも、病気のリスクを下げることができます。
メス犬は、子宮の病気や乳がんの予防、望まない妊娠を防げます。
オス犬は、精巣の病気の予防や、性的欲求によるストレスをなくすことができます。
いずれも手術をすることで、長生きにつながるといわれています。手術をするなら早い方がよいといわれているため、タイミングも含めてかかりつけ医に相談してみてください。
関連記事2:犬の飼い始めに必要な手続き。犬の登録と狂犬病の予防注射とは
関連記事3:犬と猫の健康診断 ~元気で長生きするために~
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・豊中市 モモ動物病院
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愛犬と一緒に長生きしよう
犬は人間よりも先に旅立つからこそ、限られた時間を幸せに過ごしたいですよね。
そのためにもまずは犬の生涯について理解をして、ケアできる部分から健康管理を始めてみてください。
そして、飼い主も健康的な生活を心がけ、一緒に長生きしましょう。
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