シニア期が長い? 猫の寿命とは
ひと昔前は、猫の寿命は5歳前後だったといわれています。近年では医療や生活環境の充実により、その寿命は約15歳前後にまで伸びたとされています。
猫は8歳を過ぎたらシニアに分類されるため、その生涯の半分近くを、「シニア猫」として過ごします。
老いるスピードには個体差がありますが、ライフステージごとの特徴を知り、気をつけるべき点を理解して、愛猫を長生きさせることにつなげましょう。
今回は、猫のライフステージ(一生)や寿命について、ご紹介します。
猫のライフステージ
猫も高齢になるにつれて、人間と同じように、体や行動に変化がみられます。
ここでは、猫の一生を4つのステージにわけて、みてみましょう。
子猫:誕生~6カ月頃
生後10日前後で、目が開き、耳も聞こえるようになります。生後3週間前後までは授乳期とされ、生後4週から7前後までが離乳期です。離乳期に入ると走り始め、生後6週以降は、きょうだい猫などと活発に遊ぶようになります。
子猫の期間は短いですが、この時期の過ごし方が将来に大きく影響するため、非常に重要視されています。飼い主は食事や持病の有無など、子猫の健康管理に気を配りましょう。
若猫:6カ月~1歳頃
およそ6カ月で最初の発情、いわゆる性成熟期を迎えます。人間でいうと約15歳前後とされ、思春期にあたる時期です。
心身がおとなに近づき、体も行動もオスとメスの違いがはっきりとしてきます。
この頃、メスは交配や出産が可能になり、オスは、マーキングや縄張り争いを始めるといわれています。
去勢・不妊手術をすることで、生殖器系の病気予防につながることから、検討される飼い主も多いようです。気になる方は、一度、動物病院に相談してみましょう。
成猫:1歳~7歳頃
1歳を過ぎると、体がほぼできあがります。
食事の好みや性格など、その差がはっきりと出るようにもなります。
また、2歳頃が人の24歳にあたり、6歳頃が人の40代にあたるといわれ、生涯で最も気力・体力が充実した時期です。
この時期は比較的、健康に過ごせますが、持病や遺伝的疾患などが明らかになる場合もあります。家からの脱走や落下などの事故に注意するだけではなく、定期的なワクチンの接種と、寄生虫の駆除なども心がけましょう。
シニア猫:7、8歳頃~
個体差はありますが、7歳頃から、老化のサインが表れるようになります。
食べるスピードが遅くなったり、反応がうすくなったりします。白髪などの外見の変化は少なくても、寝ている時間が増えたり、動作がにぶくなったりするケースもみられます。
病気がなければ10歳を越えても若々しく、生活も変わらずに過ごす場合もあります。しかし重大な病気になった場合は、介護が必要になることも。
できるだけ早期発見・早期治療を心がけ、定期的な健康診断や、自宅での健康チェックを欠かさないようにしましょう。
〈猫の年齢を人間にたとえると…〉
1歳=約18歳 2歳=約24歳 3歳=約28歳
8歳=約48歳 10歳=約56歳
※猫の年齢や加齢に伴う特徴などには、種類や飼育状況などにより、個体差があります。換算した数字は、あくまでも目安としてお考えください
広がる「家猫」、その理由は寿命?
猫は生活環境により、室内と屋外を行き来する「外猫(そとねこ)」と、完全室内飼育の「家猫(いえねこ)」に分けられます。(外猫には、飼い主のいない「のら猫」や、地域で世話をする「地域猫」も含まれます)
外猫は運動量が増えたり、小動物を追うなどの本能を満たしたりできる反面、平均寿命が短いという説があります。その理由として、交通事故や猫同士のケンカに巻き込まれて命を落としたり、他の猫などから感染症がうつり、寿命を縮めたりすることが、挙げられています。
家猫の場合は、室内のみで過ごすため、比較的に安全で、飼い主との触れ合いも多いです。安定した生活を送れることから、長寿の傾向があると考えられています。
ただし運動不足や肥満、ストレス解消などが心配されているため、猫の習性に見合った室内環境を整えることが大切です。また家からの脱走や、キャットタワー、バルコニーからの落下などにも注意が必要です。
多頭飼いの場合は、基本的に猫同士がじゃれあっている時は、自由にさせてあげましょう。
ただし、遊んでいる様子をよく観察して、他の猫からのいじめがないか、危険がないかを周囲の環境も含めて、よく見ておくとよいでしょう。
快適な住環境を整えてあげると、室内飼いの家猫でも、十分に満足して過ごせます。
室内飼いのメリットとデメリットを正しく理解して、愛猫の長生きにつなげましょう。
関連記事:元気なご長寿猫を目指そう。長生きのための環境づくりと健康管理
絆を深めて幸せに暮らそう
「愛猫にずっと元気でいてほしい」と、そう願う方は多いですよね。
そのためには、猫の習性を知り、若いうちからケガや病気のリスクをできるだけ減らすことが大切です。
また、ストレスのない暮らしを支えてあげることも、飼い主の役目といえます。猫が安心して過ごせる環境を整えることで、飼い主さんも一緒に幸せな時間を過ごせるでしょう。
愛猫のしぐさや行動、サインを見逃さずに、少しでも長く元気に過ごしてくださいね。
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