犬との暮らし、季節ごとのケア
日本で暮らす犬の多くは、外国にルーツを持っています。
そのため、季節によって気温や住環境が大きく変化する日本での暮らしは、ときには負担になることもあります。
私たちが四季にあわせて生活環境を整えるのと同じように、犬にも季節に合わせた健康管理が必要です。どんなケアをすれば愛犬が健やかでいられるのか、必要な知識を得ておきましょう。
今回は、犬を飼うときに、季節によって気をつけたいことをご紹介します。
暮らしの工夫と健康管理
ここでは、注意したい代表的な病気や予防接種、住まいの工夫などをご紹介します。
<春>
春先は、寒暖の差が激しい季節です。できるだけ室内の温度を一定に保ち、あたたかい時間に散歩をしましょう。
また、狂犬病予防をする時期です。フィラリア症の予防を始める時期でもあるので、血液検査のついでに、健康診断を受ける方も多いです。見た目だけではわからない病気が見つかる可能性もあるため、定期的に健康診断を受け、普段の心配事も相談してみましょう。
なお、春に換毛期がある犬種は、こまめなブラッシングをおすすめします。全身を清潔にすることで、皮膚病の予防や、ノミやダニの早期発見にもつながるでしょう。
・毎日のブラッシングで清潔に
・ノミやダニの予防、駆除
・狂犬病の予防接種
・寒暖の差による風邪に注意
<夏>
この季節、最も注意したいのは熱中症です。
特に発症リスクが高いのは、風通しの悪い高温・多湿の環境です。室外犬の場合は、風通しのよい場所や日陰に、ハウスをうつしてあげましょう。
室内犬の場合、クーラーの温度は28℃前後を目安にし、部屋を冷やしすぎないようにしてください。鼻水が出たり、食欲が落ちたりと、体調を崩す可能性があります。
散歩は、朝夕の涼しい時間にすませます。
特に、蚊によってもたらされる感染症である、フィラリア症には注意してください。予防薬を使用したり、窓やドアの隙間をチェックして、蚊の侵入を防いだりしましょう。
また、食べ物のカビが発生しないよう、食べ残しはすぐに片付け、食中毒を防ぎましょう。
・熱中症対策(涼しい環境づくり)※部屋の冷やしすぎには注意
・フィラリアの感染源である蚊に注意(蚊の侵入を防ぐ)
→月1回の予防薬を
・食中毒を防ぐ
→食器は清潔にし、食べ残しはすぐに片付ける
・高温多湿のため、ノミやダニにも注意
<秋>
秋は、夏の暑さで低下した体力を回復させる時期です。運動量を増やし、体力と筋力を高めましょう。
また、徐々に食欲も増してきますが、肥満にならないよう、体重管理にも気を配ります。犬種によっては、換毛期を迎えるため、引き続き、ブラッシングや被毛のお手入れは、丁寧にしましょう。
・十分な運動で体力を回復させる
・体重管理(肥満)に注意
・換毛期の犬種は、ブラッシングを丁寧に
・フィラリア症、ノミとダニの予防は継続する
<冬>
犬は比較的に寒さに強いですが、冬は風邪や持病の悪化(心臓病)などに注意してください。
シャンプー後はすぐに乾かす、散歩時は防寒コートを着せるなど、気をつけましょう。
室外犬の場合は、寒さが厳しい時期は室内へ入れましょう。室外で過ごす場合は、日当たりの良い場所へハウスを動かし、寝床に毛布を敷きます。すきま風の防止をするなど、寒さ対策を忘れないでください。
室内犬も、暖房が切れる夜は寒さが増します。冬用の毛布や、保温性のあるマットを用意すると良いでしょう。
また、暖房器具のコードをかじって感電したり、やけどをしたりといった事故も多いです。コードをまとめて噛まないように固定する、フェンスを設置するなど、十分に注意しましょう。
・風邪や持病の悪化に注意
・冬用の寝具(毛布やマット)などで防寒対策を
・暖房器具の事故を防ぐ
・運動不足、肥満にも注意
関連記事:犬との冬の過ごし方。寒いときのサインや対策、散歩のポイント
※予防の方法などは代表例です。症状や原因によって、対策が異なる恐れがあります
※フィラリア症については、お住まいの地域などによって、検査・予防の時期が異なる可能性があります
※健康診断や予防接種など、最適な時期については、お近くの獣医師へご相談ください
元気で幸せに長生きしよう
夏は涼しく、冬はあたたかい環境を整えることは、犬の健康管理において、とても大切です。季節ごとに、気持ちよく暮らせる環境を用意することで、ストレスの軽減や病気の予防へもつながるからです。愛犬が元気だと、共に暮らす飼い主にも、笑顔が増えますよね。
一緒に長生きするためにも、ぜひ季節ごとのケアを工夫してみましょう。
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