犬の十戒を知っていますか? これから犬を飼おうと考えている方へ
犬のかわいらしい外見や、無邪気な表情などに癒やされる人は多いですよね。
これから犬を飼おうという方は、休日は愛犬と一緒に遊んだり、いろいろな場所へ出かけたりしたいと、ワクワクされているかもしれません。
しかし、そうした犬との暮らしへの憧れだけで、犬を飼うことを決めるのは、おすすめできません。
なぜなら、犬が人と一緒に暮らすためには愛情を注ぐ以外に、食事やトイレのケア、しつけやお散歩などのお世話が必要だからです。実際に一緒に暮らし始めると、想像していた以上に大変だったと、負担に感じることもあるでしょう。
残念ながら、なかには高齢になった時、痴呆症状がでたから、重い病気になったからと、飼育放棄してしまうケースもあります。
そうならないためには、まず犬の生涯や犬自身について理解が必要です。
そこで注目されているのが、犬の目線で、一緒に暮らす上で大切なことを綴った、作者不詳の英文詩「犬の十戒(10 Commandments of Dog Ownership)」です。犬と一緒に暮らす上で、心にとめておきたいことが、10項目にまとめられています。犬を育てていく責任や、最期まで寄り添う意義について、知ってもらうために書かれました。
これから犬を飼おうと思っている方は、ぜひ「犬の十戒」を知っておきましょう。
「犬の十戒」の内容
1. できるだけ一緒にいてください
私の生涯はだいたい10年から15年しかありません。だから、ほんの少しの時間でも、あなたと離れるのがとても辛いということを、私と暮らす前に覚えておいてください。
2. 少し待ってください
あなたが私に求めていることを理解するために、時間をください。
3. 信頼してください
私を信頼してください。それが私にとって一番大切で、私の幸せなのです。
4. 私にはあなたしかいません
長時間叱ったり、罰として閉じ込めたりしないでください。
あなたには他にやることも、楽しいこともあって、友達だっているでしょう。でも、私にはあなたしかいません。
5. 話しかけてください
私に話しかけてください。あなたの言葉の意味が分からなくても、あなたが私に話しかけてくれているという事は分かります。
6. 意識してください
あなたが私にどう接しているのか、意識してみてください。どんな扱いも、私は決して忘れません。
7. 叩く前に思い出してください
私を叩く前に思い出してください。私にはあなたの手の骨を簡単に噛み砕くことができる歯があるけれど、あなたを噛まないようにしているということを。
8. 理由を考えてみてください
言う事を聞かないと叱る前に、何か理由があるのではないかと考えてみてください。もしかしたら食事が良くないのかもしれないし、長時間日にあたっているのかもしれないし、年を取って弱っているのかもしれません。
9. 年を取っても面倒をみてください
私が年をとっても面倒をみてください。あなたも同じように年をとるのですから。
10. 最期の別れのその時まで、そばにいてください
旅立つときには、一緒にいてください。「もう見ていられない、耐えられない。」「私のいないところで逝かせてあげて。」なんて決して言わないでください。あなたがそばにいてくれたら、それだけで良いのです。
わたしはあなたを愛しているという事を、覚えていてください。
共感を呼ぶ「犬の十戒」
どのように広まったのか
「犬の十戒」は、犬を飼う前にぜひ読んでほしいと、数年前よりSNSを通じて世界中に広まり、さまざまな国の言葉で翻訳されています。
そのなかには、よりわかりやすく、もっと深く伝えたいと、内容に手が加えられたものもあります。原文の内容が一部アレンジされた「犬の十戒」もあり、小さな子どもたちにも理解しやすいようにと、映画や絵本なども作られています。
背景にある犬の状況
世界中に「犬の十戒」が広まった理由には、人間に飼育放棄された犬たちの存在が挙げられます。
例えば、日本には約5万件以上の保護犬・保護猫たちがいます。(※出典元参照)
一時的に保護された犬たちは、一定期間を過ぎると殺処分されてしまうため、多くの保護団体が、里親探しに力を入れています。
こうした事態は世界中で起こっており、殺処分される犬たちを減らしたいと、たくさんの方が保護や啓蒙活動などを行っています。「犬の十戒」は、そうした方たちの気持ちがつながり、SNSで急速に広まったといわれています。
はじめて犬を飼う方は、本当に終生面倒をみられるかどうか、きちんと考えてみましょう。ご自分のライフスタイルや、いざという時に頼れる人がいるかどうかも大切です。飼い主の気持ちだけではなく、犬の幸せについても忘れないでくださいね。
関連記事:ペットを飼う前に考えること。幸せなペットとの暮らしのために
(※)出典:環境省ホームページ 環境省_統計資料 「犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況」 [動物の愛護と適切な管理] をもとに加工して記事を作成
その生涯を共に過ごそう
犬と一緒に暮らすことは、決して簡単なことではありません。それでも、愛犬と心が繋がったときに、愛情や幸せを実感するという声はたくさん聞かれます。
やがて年老いていく姿を見ることは辛いかもしれませんが、最期までお世話をすることも、飼い主の責任です。
犬だけでなく、猫や小動物なども同様です。ひとつの命を家族として迎え入れる決意をしたら、最期のお別れをするその時まで一緒にいてあげましょう。
わが子がくれる愛を信じて、その生涯を、一緒に過ごしてあげてくださいね。
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